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The world is...
Only me.
 

世界はとても楽しくて、

楽しくて楽しくて楽しくて、

だけど時々、思うんだ。

何故君は泣いているのかって。

Aut

 

物語の始まりは、とある少年の笑い声。

この世界は楽しいと笑った。悲しみなど知らないように。

 

受け取ってきた言葉の欠片、見てきた世界、そして疑問。

これはその想いの全て。

 

Autとは、Autismのこと。

靄のかかった炭素の波に、どこからか聞こえる話し声。

 

視線の先に、瞳がない。

広がるのは艶やかな色と音。

 

並べられたチェス盤を、飽きもせずに眺めてる。

涙を流す誰かの前で、平然と笑って立っている。

 

人が僕をなんて言うか、もう、教えられなくてもわかるよ。

それでもね、それが悲しいかはわからない。

考えて考えて考えて、それでもわからなかったから、

もう、いっその事、僕は彼らを”人間”と呼んだ。

 

 

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He smiles.
And I cry.
 

君はいつも笑う

私は泣き虫

 

欠けているというのなら、半分こしよう

 

それはまるで背中合わせの合わせ鏡

You and me,
back to back like.
 

0630

0630 - Yuria Lowen
00:0000:00

窓から見える、蒼い空。

滲んで流れる、雲の色。

 

臆病者で泣き虫な、

どこにも行けない私の為に、

楽しい話を、君は語る。

 

 

嫌なことから、逃げ出したい。

人はみんな、心の中で、

ぐちゃぐちゃごちゃごちゃ色んな事考えてる。

 

怒鳴り声など聞きたくないよ。

誰かが、悲しんでいる。

 

 

 

私は一体何の為に、居るんだろう。

居なくっても、良かったのかな。

 

涙が落ちた。

理由なんてきっとない。

泣いたってなんの意味もない。

 

私と君は反対だ。

そうだね、きっと半分こ。

 

都合の良い言い訳だ、多分。

でも、それでも、

 

傷だらけで笑う、君の為

せめて私が、泣いてあげる。

この色に名前があるなら

きっとそれは、君のことだ

霞んだ夜空に浮かんでいる

月みたいな

月みたいな

 

白に染まった、独りの部屋で

退屈すぎる時は過ぎる

誰かも知らない誰かの為に

今日も私は生きている

 

積まれた本の向こうには

変わらず笑う君の顔

俯く私の手をとって

大丈夫と

大丈夫と

 

どこかも知らない世界の果てで

今日もあなたは笑っている

涙も知らない君の為に

せめて私が泣いてあげる

 

 

この香りに名前があるなら

きっとそれは、君のことだ

確かにあるのに掴めもしない

風みたいな

風みたいな

 

流した赤を全て払って

汚さないように、壊さないように

私の髪を優しくなでて

今日も君は笑っている

 

 

並べられた文字を読んで

叫ぶ私の手を引いて

「わかった」と静かに言って

手をつないで

手をつないで

 

私の罪を全部背負って

今日もあなたは笑っている

どこにも行けない私の為に

楽しい話を今日も語る

 

 

君が居れば

君が居るなら

それでいいや

それでいいや

そんなことを思う私は

我が儘かも

我が儘だよ

 

 

誰かも知らない君の隣

いつかあなたが愛を知って

流せる涙を知ったとして

私は、私は

笑うことしか知らない君の

無垢な笑顔に私は泣く

側に居ると、ずっと居ると

「くだらない」と私は泣く

 

「カナシイ」と

「サミシイ」と

「セツナイ」と

「キエタイ」と

 

弱音ばかり

吐く私の

口を塞ぎ

君は笑う

0630

Yuria Lowen

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